殺人課に新しく赴任してきた若い刑事ミルズとベテラン刑事サマセットの前に猟奇的殺人事件が発生する。その異常性と犯人が残していくメッセージ。そして次の殺人事件が発生するのだが、そこにも犯人からのメッセージが残されていた。そしてそのメッセージはキリスト教の7つの大罪になぞられたものと判明する。犯人を追い包めるミルズとサマセットだが、次第に犯人の犯行の狙いが明らかになりつつある中で、ミルズ自身がその犯行の狙いに巻き込まれていく。そして、究極の選択を迫られたミルズが取った行動とは?衝撃のラストが待ち構えており、息詰まる展開に目が離せません。
単なる連続猟奇的殺人事件かと思いきや、そこに宗教的な要素をかなりちりばめているところや過去のさまざまな名作からのオマージュもふんだんにちりばめられています。あのセリフは有名なあの作品から引用したんだなという発見は、何回か見ることによって初めて気がつきます。それだけ奥が深い作品といえます。血気盛んな若手刑事ミルズ役のブラッド・ピッドがラストシーンで見せる葛藤とそれを諭すベテラン刑事サマセット役のモーガン・フリーマンのコントラストが非常によく描かれているのもこの作品の魅力です。そして犯人役のケビン・スペイシーの異常者としての演技は、憎たらしいほどこの役としてはまっています。ラストは衝撃的で見るのもつらいですが、非常によく練られたストーリーで何回も見てしまいたくなる魅力がこの作品にはあると思います。